Don’t Take Your Time

【2022/6/23改訂】

トニー・アッシャー作詞、ロジャー・ニコルス作曲の1968年の作品。2007年までロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ唯一の作品の1曲目に収められていた素敵な曲です。同1968年のサミー・デイヴィス Jr.、翌69年のザ・マッチ、70年ノルウェーの “Liv, Tor & Four Jets“、2006年のブレイブ・ライオン、08年の Omi 、14年の Liz Menezes 、18年のザ・ペン・フレンド・クラブによるカヴァーが存在します。

音源情報です。

・Roger Nichols & The Small Circle Of Friends 「same」(A&M LP139/SP4319)

当時のLPのA面の1曲目、とてもインパクトのあるコントラ・バスのピチカート、躍動感のあるピアノ、リズム、コーラス、バックのオーケストラアレンジ、間奏のトランペット、どれをとっても100点満点です。ポップスのお手本ですね。発売当時の1968年には殆ど話題にならななかったと言われているこのアルバムも今では日本で何度もCD再発されているベスト・セラー、Revoraから2005年に出たボーナス曲入りが一番のお勧めです。
<Amazonで確認、このアルバムの日記>

・Sammy Davis Jr. 「Lonely Is the Name」(Reprise R-6308)

歌手/俳優/コメディアン/エンターテイナーである彼の1968年のアルバムのB面1曲目に入っています。ここでのアレンジはブラスを強調したものになっており、特徴のあるサミーのボーカルのバックに女性コーラスが入ります。ソフト・ロックのファンにはA面2曲目のジミー・ウェブ作の「Up, Up And Way」もお勧めです。2004年にCD化されています。
<Amazonで確認>

・The Match 「A New Light」(RCA 4206)

5人組コーラスグループ「ザ・マッチ」の唯一のアルバム。A面1曲目に入っています。SCOFよりもコーラス・ハーモニーが厚みがあるし、フルート?やグロッケン?とかも入ってキラキラ感のあるアレンジになっています。このアルバムには他にもニコルス作品「Mornin’ I’ll Be Movin’ On」も入っているし、バカラックやジミー・ウェッブ作品もとても心地が良いサウンドになっていて買って損は無いお勧めの1枚。CD化されてないので中古で手に入れるしかないのが残念。是非CD化してほしい作品です。 2012年にCD化されました。<メンバー名等参考になるサイト Site1, Site2>

・Liv, Tor & Four Jets 「Noe Bør Skje / Et Lite Sted」(Polydor – 2052.003)

Four Jets は1963年に4人編成で結成されたノルウェーのバンドで、メンバーを追加したり交代しながら1989年まで活動していたようです。初期は英語曲のノルウェー語カヴァーを多くレパートリーにしていたようです。67年に男声ボーカルと管楽器で Tor Brovold、68年に女声ボーカルで Liv Mylius が参加したことにより、 Live, Tor & Four jets となりました。Don’t Take Your Time は1970年に “Et Lite Sted” の曲名でシングル “Noe Bør Skje” のB面に最初に収録され、翌71年にはアルバム “Fire Jådd” にも収められました。ちなみに”Noe Bør Skje” はサイモンとガーファンクルのスカボロー・フェアのノルウェー語カヴァーです。Don’t Take Your Time のカヴァーはオリジナルのアレンジを踏襲していますがノルウェー語なのが面白いです。このシングル盤のオケに合わせた当時の映像が残っていましたので貼っておきます。”Noe Bør Skje”はノルウェーのコンピCDに収録済みですが”Et Lite Sted”は未CD化となっています。
<参考サイトDiscogs>

“Noe Bør Skje / Et Lite Sted” – Liv, Tor & Four Jets (1970)

・Brave Lion 「Volcano/Don’t Take Your Time」(Pheasant ph-2001)

2001年に結成され東京近郊でライヴ活動を行っている日本のスカ・バンド「ブレイブ・ライオン」が2006年に発表したシングル盤EPレコードのB面に収められています。発表当時はレコードのみの発売でした。パーカッションが効いたかっこいいスカ・バージョンのアレンジでこの曲が聴けるなんて思ってもいませんでした。もともとの曲の感じからいったらこれはかなり異色の作品ということになるのでしょうが意外にもこのリズムに合っています。このシングル盤は発表後すぐに売り切れになってしまったらしいのですが2007年になってCDミニアルバムがリリースされ、この中で聴くことができます。
<Amazonで確認、HMVで確認、彼らのオフィシャルWebサイト>

・OMI 「Sound Of Kula 2」(Lastrum)

このアルバムの売りは、「癒されたいあなたへのマストアイテム!大人のビーチリゾート“KULA”が贈るリゾートサウンドカバーコンピレーション第二弾!!マドンナ、シンディーローパー、クィーン、エアロスミス、マイケルジャクソン、ノラ・ジョーンズ、アバなどのスタンダードナンバーを、ポップなラウンジ・ミュージックにカバー!」だそうです。原曲はノリの良いアレンジでしたがここでは癒しということで徹底的にスロー、Jazzの雰囲気もあるリゾート・ミュージックになっていますね。
<Lastrumで確認、HMVで試聴>

・Liz Menezes 「Relaxing Bossa」stream

ドミニカ系アメリカ人のシンガーソングライターで、2014年にアルバムとシングル、15年、18年にシングル、20年にアルバムが出ています。それ以前は2007年からコンピレーション・アルバムに曲が採用されていますね。このアルバムは2014年10月に発売されたらしいのですがCDがあるのかは確認できませんでした。downloadとstream配信はされているみたいです。Don’t Take Your Time はアカペラで始まるアレンジで後半アコースティック・ギターが入りボッサになっていきます。アルバム自体は14曲でソフト・ロック好きにはたまらない選曲が多いです。<Apple Musicで確認/試聴、AWAで試聴>

・The Pen Friend Club 「Garden Of The Pen Friend Club」(Penpal Records – PPRD-0003)

リーダーの平川雄一により2012年に結成され、メンバー交代を繰り返しながらも活動を継続しているソフト・ロック・グループ。60年代のカヴァーを多く手掛け他の音楽家にも定評があります。Don’t Take Your Time のカヴァーは2018年のアルバムにはいっており、オリジナルのアレンジを踏襲しつつも、オリジナルには無いオルガン、グロッケンシュピール等の楽器を追加してキラキラ感を出しているように思えます。なおLiveバージョンが2020年のアルバム”IN CONCERT”に収録されています。
<Wiki公式Web、Apple Musicで確認/試聴>

・SPRINGS「live at McCartney, Jiyugaoka Tokyo on Feb.18, 2017」

おまけ:98年に The Drifter をカヴァーしたスプリングスのライブ映像を付けておきます。