I Can See Only You

ロジャー・ニコルス、スモーキー・ロバーツスチュアート・マーゴリン共作の1968年の作品。共作のスモーキー・ロバーツは俳優兼シンガー・ソング・ライターでパレードのメンバー、スチュアート・マーゴリンもパレードの作品で共作している人でやはり俳優兼ソングライターです。スモール・サークル・オブ・フレンズのマレイがパレードにも在籍していたことによる交友関係なのでしょう。ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズの1968年作のアルバム4曲目に収められたこの曲には、同1968年のアル・マルティーノ、1970年のロンドン・ステレオ ’70・オーケストラ、1971年のシンパティコ・ヴォイシス・アンド・ストリングスのカヴァーが存在します。


音源情報です。

・Roger Nichols & The Small Circle Of Friends 「same」(A&M LP139/SP4319)

当時のLPのA面の4曲目、ゆったりとしたストリングスとギターのアルペジオではじまるゆったりとした感じの曲です。このアルバムも今では日本で何度もCD再発されていますが、Revoraから2005年に出たボーナス曲入りが一番のお勧めです。
<Amazonで確認、このアルバムの日記>


・Al Martino 「Wake Up To Me Gentle」(Capitol ST 2983)

50年代から活躍し80歳を超えた今でも活動しているスタンダード・ボーカリスト、アル・マルティーノ。60年代には「I Love You Because」「Spanish Eyes」「Mary In The Morning」「More Than The Eye Can See」のビルボードNo.1を持ち75年にはディスコアレンジの「Vorare」のリバイバルヒットを持っています。映画「ゴッド・ファーザー」ではシナトラを模したとされるジョニー・フォンティーン役での出演でも有名なかたです。そんな彼の1968年のアルバム「Wake Up To Me Gentle」のA面2曲目に「I Can See Only You」が入っています。またこのアルバムからのシングル盤(Capitol 2355)、カントリーのハンク・ウィリアムス作「I Can’t Help It」のB面としても収められていました。SCOFのバージョンよりも少しテンポが速いのとストリングスアレンジがもう少し前面に出て豪華で女性コーラスがバック入っているところが違いでしょうか。ここでのアレンジは先日の日記で紹介したジョン・アンドリュー・タータグリア。こんなところでもロジャー・ニコルスとの繋がりが見えてきます。ジミー・ウェッブの「Don’t We」「If You Must Leave My Life」、バカラックの「The Look Of Love」なんかも入っていてなかなか楽しめるアルバムです。残念ながらCD化されていませんし、数ある彼のベストCDにも収められていないようです。

・London Stereo ’70 Orchestra 「Viva Stereo ’70!」(A&M AMLB 1019)

このアレンジはひとつ下のSimpaticoのものと一緒でボーカルの部分がサックスになったインストバージョンです。レコード番号からするとこちらが先にリリースされたのかな?どちらのアルバムも指揮はジョニー・ピアソン、アレンジはチャック・アンダーソンで、収録曲も数曲が共通しています。未CD化作品です。

・The Simpatico Voices And Strings 「Masquerade」(A&M AMLB 1023)

スペイン語バージョンの「I Can See Only You(Solo A Ti Pude Ver)」が入っているアルバムです。このアルバムについてはAlways Youの日記の方に記載していますのでそちらを参照ください。