I Wish I Knew (Judith Durham)

SOFT ROCK The Ultimate!」に記載されていたのでロジャニコA to Zでも取り上げようと思ったのですが、この曲はロジャー・ニコルス作曲ではありませんね!ロジャーがこのようなゴスペル・タイプの曲を書くのかと意外に思っていましたがやはり間違えのようです。一応写真のアルバムは紹介しておきますが、オーストラリアのフォークバンドで「ジョージー・ガール(Georgy Girl)」等のヒットを持つシーカーズ(The Seekers)のボーカリスト、ジュディス・ダーハム(Judith Durham)の1970年のセカンド・アルバム「Gift Of Song」(A&M AMLS 967)です。

「I Wish I New」(R.Nichols – H.Levy)の記載でA面2曲目に入っているのですがこれは明らかに作者の部分が記載ミスですね。曲を聴くと判るのですが、これは1967年の黒人ソウル/ジャズ歌手ニーナ・シモン(Nina Simone)によるアルバム「シルク・アンド・ソウル(Silk & Soul)」に収められている「自由になりたい(I Wish I Knew (How It Would Feel to Be Free))」のカバーで、作者は(Billy Taylor – Dick Dallas)です。このタイトルでロジャニコ作曲のものは存在しないと思われます。ちなみに作詞者のH.LevyはHal Levy(ハル・レヴィー)でAlways Youの日記にも書きましたがUCLAの講師だったかたと思われます。ひょっとするとジュディスはA&Mデモ音源を聴き、当初その中のどれかが収録候補だったのかもしれませんね。

ジュディスのホームページはここですが、この中にディスコグラフィがあります。(2022/06/22追記:ホームページの中身が変わってしまってます。別途写真を追加しておきます。)1970年の「Gift of Song」(A&M AMLS 967)での表記は 2. I Wish I Knew (R.Nichols-H.Levy) ですが、1972年の編集盤「Here Am I」(A&M AMLB51035)での表記は 1. I Wish I Knew (How It Would Feel To Be Free) (B. Taylor/D.Dallas) に変更されているのが判ります。彼女の録音は未CD化の上記2枚と、以前にも紹介している「Roger Nichols Song Book」というアナログ起こし音源を集めたCDで聴くことができます。

クリックで拡大可能です。
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せっかくなのでオリジナルを紹介しておきます。写真のアルバム「Silk & Soul」の6曲目に収められています(邦題:自由になりたい)。国内盤は試聴ができないので、輸入盤のほうをたどっていただけると試聴ができますので比べてみていただきたいと思います。この曲はジュディスの他にも作者のBilly Taylor、Solomon Burke、Cold Blood、John Denver、Jay Hoggard、Illinois Jacquet、Junior Mance、Shirley Scott、Marlena Show、The derek Trucks Band等々、数々のアーティストが取り上げています。この中ではジョン・デンバーが意外ですね。マリーナ・ショウのはかっこ良すぎです!最近エリック・クラプトンのツアーにも参加したデレク・トラックスのも結構良いです。

(2022/06/22追記:I Wish I Knew (R.Nichols-H.Levy)のものは2016年に発売されたCD「Treasury」に Linda Ball の歌うデモが収録されました。)

Treasury

YouTube動画で聴き比べ↓

Judith Durham – I Wish I Knew

Nina Simone – I wish i knew how it would fell to be free

I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free – Billy Taylor

I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free: John Denvr

Marlena Show – I Wish I Knew (How It Would Feel To Be Free)

The Derek Trucks Band – I Wish I Knew (How It Would Feel To Be Free)