「秋風の恋(I’d Really Love To See You Tonight)」は1976年にイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーによってヒットした曲で、サビのコーラスとメロディがとても好きな作品です。作詞作曲は彼らではなく、ナッシュビルのライターでパーカー・マッギーのもの。あまりカバーの多い作品ではありませんがいくつか紹介したいと思います。まずはオリジナルの映像をどうぞ。
England Dan & John Ford Coley – I’d Really Love To See You Tonight
有名なところではバリー・マニロウのカバーが1996年の「Summer of ’78」に入ってたりしますが超お勧めは香港の人気女性シンガーTERESA CARPIOの77年作品です。このアルバムもロジャニコカバー蒐集で購入したのですがロジャニコ作品よりもこの曲のカバーが最高に気にいっています。実は今日の日記はこのアルバムの紹介といっても良いかもしれません。写真の右上のジャケットです。
日本語だとテレサ・カルピオになるのでしょうか?漢字だと杜麗莎と書くようです。彼女は1956年フィリピン人ジャズ・ドラマーの父と中国人の母との間に生まれたハーフで、祖父はバイオリニスト/ジャズ・ギタリスト、また父の兄弟もミュージシャンという音楽ファミリーで育ち、香港では6歳でデビューしたそうです。「秋風の恋」は彼女の4枚目のアルバムに収められています。このバージョンはオリジナルよりもテンポが速いうえにバックのエレキ・ピアノがイントロからすごくかっこよく、ボーカルもソウルフルで歌唱力もあり、最高のカバーとなっています。
このアルバム「Teresa Carpio」は全編英語のカバー曲で構成されていて他にもシカゴの「素直になれなくて」、フィフス・ディメンションの「ストーン・ソウル・ピクニック」、ナタリー・コールの「ミスター・メロディ」、ロギンス&メッシーナ「ダニーズ・ソング」等が入っています。こちらもなかなか良いカバーでとても気にっています。
残念ながらこのアルバムは未CD化なのですが、「秋風の恋」が入っている「Teresa Carpio’s Greatest Hits + 2」が香港でCD化されています。こちらもカバーばかりなのですがミニー・リパートン、スリー・ディグリーズ、ラベル、オリビア・ニュトンジョン等の有名な曲が沢山カバーされていてなかなか良いです。彼女は(2008年の時点で)もう50歳を超えていますがまだ現役で活躍しているそうです。また、女優として映画にも出演したりもしています。
<彼女のホームページ>
YouTubeにもいくつか映像があるので載せときます。
Teresa Carpio – I’ve Got The Music In Me
Teresa Carpio – Mr. Melody
次に紹介するカバーは60年代に活躍した黒人R&B歌手Dee Dee Sharpが1978年に発表した「What Colour Is Love」に収められているバージョンです。写真はオリジナルLPではなく2in1でCD化されたものを使用しています。こちらもスウィート・ソウル・アレンジでなかなか良いですね。アレンジの違いで原曲の雰囲気とずいぶん違うのにはびっくりします。
<彼女のホームページ>
大御所バリー・マニロウのカバーは意外にも1996年の作品で、ヒットから20年後のカバーとなっています。アルバムタイトルは「Summer of ’78」で、バリーが絶頂期を迎えた78年頃ヒット・チャートをにぎわしていた曲をカバー したものだそうです。ゆったりとしたバリー節のものと、アップテンポ・ミックスのものの2種類があります。後者のほうは2002年「The Essential Barry Manilow」に含まれていて、ラテン調のダンスミックスにアコースティック・ギターの音が入っています。「哀しみのマンディ」と「コパコバーナ」の違いといった感じでしょうかね。(笑)