プログレな友人達とキース・エマーソン・バンドのコンサートに行ってきました。事前に新しいアルバム『キース・エマーソン・バンド・フィーチャリング・マーク・ボニーラ』も購入したし、過去のアルバム音源や、今年の他のツアーのセットリストも入手して予習は万全で臨みました。場所は渋谷のC.C.Lemonホール(旧渋谷公会堂)、考えてみればこのぐらいの大きさでのロックコンサートに行くのはすごく久しぶりです。開場が18時半、開演19時とのことでしたが18時過ぎには到着してしまいました。
既に会場前では仕事帰りのサラリーマン(年齢層高い)達でごった返しています。指定席なのに並んで入場するのはグッズの購入が目的なのでしょうかね?入場時の撮影/録音機材チェックは異様に厳しく列ができています。(空港じゃないんだからさぁ...)館内でも繰り返し放送がありましたし開演前挨拶でも言ってましたね。っで、グッズですが今回はコンサート・パンフは販売されておらずTシャツ、ポスターグラム、携帯ストラップ等がありました。
ポスターグラムってなんだ?と思いましたが、とりあえず(上の写真のデザインのもの)購入してみました。ポスターグラムって表裏の両面印刷のポスターのことをいうのですかね?ただのポスターじゃんって感じなのですが。
席は前から19番目PA卓よりちょい後ろの左側でした。
さてさて開演です。19時よりもかなり遅れての開演でした。照明が消え舞台中央に人が来て座ります。あれあれ?着物姿の女性の様ですが...おぉ!いきなり鼓を肩に叩き始めましたよ。「よ~、ポン」ってな感じです。しばし叩いた後に新譜の1曲目『イグニッション』のシンセの音がかぶります。なんかこれは意表をついたオープニング。でもバンドと共演かと思いきや紹介もされず女性は去っていきました。(いったい何だったんだろ?)そして遂にバンドメンバーが定位置に就き演奏開始!続けて『ファースト・プレゼンス』です。
コンサートでは最新アルバムを中心に過去のELPの曲も次々に演奏され結構盛り上がったのではないかと思います。バンドとしてのまとまりも良かったし、僕自身キースの音をライヴで聴くのは初めてだったこともあり、いろいろ驚きやひょぇ~っていうのも沢山ありました。
ただ、コンサートが始まってからずっとフラストレーションが溜まりっぱなしです。最初は中規模のホールが久しぶりだったのでこんなもんかなぁ?と思っていたのですが、やはりPAがちょっとひどいんじゃないかと思いました。中盤まではベースとドラムの音のほうがキーボードやギターの音より大きいし、エコーかけすぎで低音が反響しまくり。キーボードやギターのフレーズに耳を集中しようとしてたのでクリアに聴こえないのがとても不満でした。
まぁ後半はバンドのノリに押されてあまり気にしないようにしていましたけど...。(熱烈なファンだったら演奏が見れるだけで感激なんでしょうけど僕はどっちかというとイエスやピンク・フロイドのほうが好きだったりするのでちょっと冷静すぎましたかね..(苦笑))
さて、曲は次々と進んでいきます。エマーソン・レイク・アンド・パウエルの『タッチ・アンド・ゴー』なんかもやりました。マークの声ってCDやDVDで聴くとかなりレイクに近い感じがしてたのですがステージではマイクにエコーがかかりすぎていたせいかあまり似てなかったという印象です。驚いたのはあのでかいムーグです。どこで使うのかと思っていたら『ラッキー・マン』の後半で弾いてくれました。凄まじい音と残響、ステージで使われたのを見たのは初めてです。
しばらく新譜からの曲が続きます。15日のセットリストでは『マルシュ・トレイン』はやらなかった様ですが今日はやってくれました。この曲はアルバム中で一番好きなので嬉しかったです。できれば『フィナーレ』に繋げてほしかったですね。
そして『フロム・ザ・ビギニング』から怒涛のELPオンパレードに突入。楽しかったのは『ホウダウン』、途中でエマーソンがブルースハープ(出だし失敗してたなぁ)を吹いたり、テルミン(これも生で見たのは初めてです。)やらリボン・コントローラーでマークのギターと掛け合いをやったりしてました。
『タルカス』は過去のライヴ盤のようにダイジェストではなくってフルに30分ぐらいやってくれました。どの曲でだったかは忘れましたがマークはギターで『007のテーマ』やサーフ・ロックの『ミザルー』のメロディを織り交ぜたりで楽しませてくれました。
アンコールは『庶民のファンファーレ』、『アメリカ』『ロンド』のフレーズも出てきたかと思います。ここでマークがオアシス・シンセのコンソールを閉じたのでなんだろうと思ったら、その後キースがキーボード裏に廻って『トッカータとフーガ』を逆さに弾く曲芸を披露、拍手喝采です。
続けて2曲目のアンコール、マークが『くるみ割り人形』の中の『こんぺい糖の精の踊り』のフレーズを弾き始めたのでひょっとしてっと思ったらやはり『ナット・ロッカー』が始まりました。今回はくるみ割り繋がりで『ロシアの踊り』もかなりフューチャーされたアレンジで楽しかったです。2時間半近いコンサートでしたがあっという間でした。
(ステージの写真は2008年8月26日のモスクワ公演から)
Keith Emerson Band:
Keith Emerson(Key)、Marc Bonilla(G, Vo)、Travis Davis(B)、Tony Pia(Ds)
Setlist (16, Oct. 2008, Tokyo, C.C. Lemon Hall)
1. | イグニッション | K | ||
2. | ファースト・プレゼンス | K | ||
3. | ラスト・ホライズン | K | ||
4. | 悪の教典#9:第1印象パート2 | J | ||
5. | ピアノ協奏曲第1番第3楽章:トッカータ・コン・フォコ | H,I | ||
6. | ビッチズ・クリスタル | D | ||
7. | マランボ | K | ||
8. | タッチ・アンド・ゴー | J | ||
9. | ラッキー・マン | C | ||
10. | マイルズ・アウェイ・パート1 | K | ||
11. | マイルズ・アウェイ・パート2 | K | ||
12. | クルセイダーズ・クロス | K | ||
13. | フーガ | K | ||
14. | セカンド・プレゼンス | K | ||
15. | マルシュ・トレイン | K | ||
16. | 未開人 | C | ||
17. | プレリュード・トゥ・ア・ホープ | K | ||
18. | ア・プレイス・トゥ・ハイド | K | ||
19. | フロム・ザ・ビギニング | E | ||
20. | ホウダウン | E | ||
21. | タルカス | D | ||
<アンコール> | ||||
22. | 庶民のファンファーレ~アメリカ~ロンド | H,A,B | ||
23. | ナットロッカー | F | ||
<収録アルバム> | ||||
A. | 『ナイスの思想』The Nice | (’67) | ||
B. | 『America/Diamond Hard Blue Apples Of The Moon 』Single The Nice | (’68) | ||
C. | 『エマーソン、レイク&パーマー』EL&P | (’70) | ||
D. | 『タルカス』EL&P | (’71) | ||
E. | 『トリロジー』EL&P | (’72) | ||
F. | 『展覧会の絵』EL&P | (’72) | ||
G. | 『恐怖の頭脳改革』EL&P | (’73) | ||
H. | 『ELP四部作』EL&P | (’77) | ||
I. | 『イン・コンサート』EL&P | (’79) | ||
J. | 『エマーソン、レイク&パウエル』Emerson,Lake&Powell | (’86) | ||
K. | 『キース・エマーソン・バンド・フィーチャリング・マーク・ボニーラ』 | (’08) |
補足:
翌日17日の朝フジテレビの『とくダネ!』にキースとマークが生出演で演奏してくれました。小倉さんのはしゃぎようといったらありませんでしたね。演奏のほうもオアシス・シンセとエレアコのギターのみだったのでバンドスタイルとは違ったアレンジで楽しめました。マークのギターのユニゾンも聴けたしこれもまた満足でした。
はじめまして!
キース・エマーソンのライブに感動して、レビューハントしております。
充実したコンサートでしたね。
新譜を聴いておけばよかった、と反省しています。
『タルカス』は圧巻でした。
私は18日のSHIBUYA-AXに行ったのですが
エコーはやはり気になりました。
そういう調整なのでしょうか。
もしよろしければこちらにも
お立寄りください。
NALさん、はじめまして。
書き込みどうもありがとうございます。
追加公演行かれたのですね。
2日目よりもさらに充実していたように聞いていますよ。
こちらもまだ修正中でしたのでさらに文章追加しています。
よろしかったらどうぞ。テレビマークは秘密です。
マルさん、
楽しかったですね!
詳細なレポ、きっちりと冷静にコンサートを楽しんでいる感じがフロイド・ファンっぽいなあ。←意味不明な思い込み。
本番直前、メンツが全員そろったところで、いろいろと楽器の音量を指示されるアマチュア・オーケストラに比べれば、ロックのコンサートは音の塊に迫力があればいいのだ、という感じなんでしょうかね。グレッグ・レイクだったら、あのPAバランスは許さなかったような気がします。ボニーラの「実はユニゾン」妙技が伝わりきれていなかったのは、もったいなかったですね。
キース・エマーソン・バンド、最高!
久しぶりの渋谷公会堂、 名前は変わってしまったけど、 あの建物に向かって入って
KEITH EMERSON BAND featuring Marc Bonilla
KEITH EMERSON BAND featuring Marc Bonilla の日本公演を見てきました。
(10月15日(水)@渋谷C.C.Lemon)
キースの演奏に対するネット評価は賛否両論に分かれていますが、
私的には目の前で元気にキーボードを弾いているキースを見ることが出来、
それだけで幸せでお腹一杯な気持ちになりました。
『DVDで見たグレック・レイクのソロ』 とは異なり、
ソロアルバム『Keith Emerson Band Featuring Marc Bonilla』からの…
パーマネントな活動希望
Keith Emerson Band Live At C.C.Lemon Hal
マルさんの学究肌のブログを反映するかのような詳細なライヴレポに感動しました。
蘇りますね、会場の熱気が。
脱帽です。
俺的にはPAのバランスが悪かろうが、イケイケなライヴのグルーヴが堪能できて、それはそれで良かったかなと。
もう最高!ッスよね。