今回取り上げる作品はエディ・マネー(Eddie Money)の「Nowbody Knows」なのですが、結論を先に言ってしまうとこれはロジャー・ニコルスの作品ではありませんでした。エディの3作目で1980年のアルバム「Playing for Keeps」に収録されています。そもそもこの作品を知ったのはFM放送『山下達郎サンデーソングブック』2007年05月06日 ロジャー・ニコルス特集 Part 3での達郎さんのコメントでした。へぇずいぶんタイプの違う人とのコラボレーションだなとは思いましたが、CDを購入してみると確かにこの曲は『By R.Nichols, E.Money』との記載があります。購入当時All Music Guideで調べて見ましたが『Composed By Eddie Money/Roger Nichols』との記載があったので信じてしまっていました。きっと達郎さんも同様だったのではないかと思います。
<試聴>
曲調を聴くとやはり何となく違和感があり、とてもロジャー作品とは思えません。今回取り上げるにあたり、もう一度調べてみることにしました。
1980年前後のロジャーは既にポール・ウィリアムスとの決別で70年代半ば以降は一線を退きめだった活動もありませんし、エディとの接点も見つけることはできませんでした。
ネット検索でアルバム紹介をしてるサイトでロジャーではない記述がされているサイトを見つけました。その一方でロジャーの記述があるサイト(2022/04/05時点でリンク切れ)もあります。
ますます混乱してきますね。気になるのはこのアルバムでキーボードを担当しているRandy Nicholsなる人物。略すとR.Nicolsです。もしやと思い前後のアルバムを調べてみるとエディの1枚目のアルバムからの付き合いのようです。さらに4枚目のアルバム「No Control」でも「Drivin’ Me Crazy」という曲で共作していました。
こちらはAll Music Guideでは『Composed By Eddie Money/Randy Nichols』となっています。これはやはりRandyの間違えではという確率が高くなってきたようです。
決定的だったのはUSのレコードのコピーライトデータがあるデータベースサイト。この中はテキストファイルが沢山置かれていて、google検索で『”Randy Nichols” “Eddie Money” bulk』等と入れると引っかかってきます。この中では
●Drivin’ me crazy
Edward J. F. Mahoney & Randy Edward Nichols
●Nobody knows you like me
Eddie Money & Randy Edward Nichols
●She’s my girl
Eddie Money & Randy Nichols
の記述がありましたのでR.NicholsはRogerではなくRandyとの結論に至ったというわけです。(blog記載時のデータです。2022/04/05時点ではデータベース自体が更新されており、上記データベースのリンク先も更新しました。)