ちょっとご無沙汰していましたが、新年あけましておめでとうございます。
音楽Blogのほうはなかなか書くのに勢力がいるのであまり更新できませんがひとつ今年もよろしくお願いしますです。
さて2007年新春の一発目はいつか書こうと思っていた1枚、「Roger Nichols & The Small Circle Of Friends」です。このアルバムの存在を知ったのは90年代初めぐらいでしょうかCD化されてからのことになります。巷で若い人たちがソフトロックやら渋谷系とかにはまっていた頃のことです。昔からカーペンターズの曲では「Rainy Days And Mondays」や「I Won’t Last A Day Without You」なんかが好きだったし、アート・ガーファンクルの「Traveling Boy」も大好きでした。共に作者はポール・ウィリアムスとロジャー・ニコルス。極上のポップスを作る作家コンビでした。
もう何十年も作曲はポール・ウィリアムスで作詞がロジャー・ニコルスだと思っていたのですが逆だと知ってロジャー作品を沢山聴くようになってしまいました。
昨年末もレア盤探してネット検索でしたぁ...(;^_^A
今PCにはカバー曲含めてロジャー作品が188曲になっています。
さてこのアルバムはロジャーの数少ない関連アルバムの中で最も有名な一枚です。最初にCDを買ったときには再発のポール作品ばかり聴いていてしばし
忘れてしまっていたのですが、その後再々発CDに入っていた「The Drifter」がえらく琴線に触れて以来ロジャーおっかけオタクとなってしまいました。
今聴きなおしてみてもやっぱりこのアルバムは凄いです!1967年に発売とは思えないくらい洗練されたサウンド。当時の他のソフト・ロック音源と比べても
コーラスやアレンジで一線を隔しています。メンバーはロジャー・ニコルス、マレイ&メリンダ・マクラウド兄妹の3人。
このCDは都合3枚所有していますが以下の曲の感想等は2005年に再発されたRevola盤から。これが一番曲目が多いです。
少なくとも彼らのアルバムはボーナス曲入りのものを買うべきだと思います。ボーナスにも素敵な作品が盛りだくさんなので!
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1. Don’t Take Your Time
コントラバス(?)のピチカートで始まる一曲目から
完全ノックアウトのキラーチューン。間奏のブラスとオーケストラの弦のアレンジがとてもいい!複雑なコーラスも!
この曲はThe Match、Sammy Davis Jr.、Brave Lionのカバーがあり、どれも味のあるアレンジである。
2. With A Little Help From My Friends
いわずと知れたビートルズの不朽の名作「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に入っている
リンゴ・スターの歌う曲。原曲の味を崩さず気持ちの良いコーラスを聴かせている。
3. Don’t Go Breaking My Heart
バート・バカラック曲のカバー。いろんな人がカバーしているがここでは印象的なハープシコードを使ったアレンジで落ち着いた
きれいなコーラスを聴かせている。
4. I Can See Only You
9th系コードを使ったゆったりしたバラード曲。アル・マルティーノもカバーしている。
→(2007/3/25追記)スペイン語カバーのThe Simpatico Voices And Stringsのものもある。曲名はSolo A Ti Pude Verと表記されており、ゆっくりめのラテンパーカッション入りのコーラス物でした。
5. Snow Queen
キャロル・キングがバンド「ザ・シティ」に在籍していた時の曲のカバー。
シティー盤はバックがえらくかっこいい感じだけど、こちらはもう少しテンポをおとしてしっとりとしたコーラスアレンジのバラードに仕上がっている。
6. Love So Fine
本アルバム2曲目のキラーチューン!イントロのドラムとブラスが凄くかっこいいのだ!
これもいろんな人がカバーしている。The Frank Cunimondo Trio、Herb Alpert & The Tijuana Brass、The Four King Cousins、Mansfield
(カジヒデキ & 土岐麻子)、Pete Jolly、Carnival、Don Costa、Jackie Trent & Tony Hatch、Ulla & Ammie等。
この中ではThe Frank Cunimondo TrioとCarnivalのバージョンがなかなか良い。
→
(2007/3/25追記)Bobbi Boyle And The Trioのジャズアレンジ&ボーカルも同系統の
Frank Cunimondo Trioと甲乙つけがたいできである。
7.、Kinda Wasted Without You
このバンドに在籍しているマレイの曲で
彼の参加する別のバンド「パレード」でも演奏しているので聴き比べると面白い。パレードのほうはよりバンドっぽい演奏だがこちらは
バックのオーケストラやフルート等ゴージャスな感じだ。
8. Just Beyond Your Smile
本アルバム3曲目のキラーチューン!
サビのコーラスと間奏のブラス、バックのブラスとオケも申し分ない。この曲は当時バカラックと並ぶメロディー・メーカーであった
トニー・ハッチも奥さんのジャッキー・トレントとデュオをとっているバージョンを出している。ほぼ同様のアレンジでテンポを少し速くした
トニー盤もなかなかである。他にThe Sunshine Company盤もあるが曲自体が良いのでこちらも楽しめる。
9. I’ll Be Back
ビートルズのA Hard Day’s Nightに収められた曲のコピー。
このアレンジはさすがだ。原曲のきれいな男性コラースを混声に変え、ワイルドさを削りひたすらポップにした感じ。途中原曲のコードを変えている
ところが結構さまになっている。
10. Cocoanut Grove
The Lovin’ Spoonfulの曲のカバー。原曲のシンプルなアレンジをトランペットとオーケストラがノスタルジーっぽさと気だるい気分をかもし出している。
Affinityというバンドもこの曲をカバーしているがこちらはフルートとハモンドオルガンが入っておりそれぞれアレンジで全く違う雰囲気になるのが聴き比べると面白い。
11. Didn’t Want To Have To Do It
これもThe Lovin’ Spoonfulの曲のカバー。原曲はバンド・サウンドだがやはりイントロのブラスやオーケストラをバンドの
バックにしたこちらのほうが優しくゴージャス。ちょっとJazzっぽいJackie And Roy盤もなかなか良い。
12. Can I Go
本アルバム4曲目のキラーチューン。
イントロはサイモン&ガーファーカルのミセス・ロビンソンみたいだけどその先はテンポの速く複雑な美しいコーラス。
間奏に突然入るオーケストラサウンドも斬新。カバーはCollage盤があるがこちらはもう少しテンポが遅い。でもなかなか楽しいアレンジだ。
ここからはオリジナルには入っていないボーナス曲である。このCDはボーナスをあなどるなかれ!ボーナスにいい曲がいっぱい
詰まっているのだ!
13. Our Day Will Come
Ruby & The Romanticsのヒット曲で
Chris MontezやThe Carpentersもカバーしている。この曲もキラーチューンだ。イントロのかわいいピアノとドラムの音でにんまりしてしまう。
14. Love Song, Love Song
この曲もなかなかポップなキラーチューン。
とてもいい曲だがロジャーの曲ではない。アレンジは音の魔術師ニック・デカロである。この曲のカバーは未だ見つけたことはないのだがもしあるなら
是非聴いてみたいものだ。
→(2007/3/25追記)Johnny Mann Singersの1967年のアルバム「Don’t Look Back」に入ってるのを発見。こちらの混声コーラスもすばらしい。
15. Just Beyond Your Smile (Single Version)
アルバム曲のシングル・バージョン。ベーシックトラックアレンジに大きな違いはないがバックのオーケストラのかぶせかたが全く
異なっておりこちらのほうがシンプルな印象だ。当時はステレオ・バージョンとモノ・バージョンでミキサーが違ったりしていたようだ。
16. I’ll Be Back (Single Version)
これもアルバム曲のシングル・バージョン。
やはりベーシックトラックアレンジに大きな違いはないがバックがブラスのみなところがシンプルである。13曲目からこの曲まではアルバム発表前の
ロジャー・ニコルス・トリオ名義のシングル盤である。
17. Let’s Ride
ここから19曲目まではアルバム発表後のシングル盤が続く。これは1968年のシングル盤から。ロジャーの作品は60年代はサンシャイン・ポップの影響を受けた
明るい曲調のものが多いがこれはまだその雰囲気が伝わってくる作品である。これも名曲でThe MontanasやThe Morgan-Jamesのカバーがある。
この曲からは盟友ポール・ウィリアムスとのコンビ作品だ。ちなみに彼らの初共作は1968年発表のクロディーヌ・ロンジェの3枚目「
Love Is Blue」に収められている「It’s Hard To Say Goodbye」である。
→(2007/3/25追記)
Royaltyなるグループのバージョンもあるらしいが未入手。
18. The Drifter
1969年の2ndシングルA面。この曲はサンシャインポップの影響から離れ、後にカーペンターズで大ヒットを飛ばすようなタイプの甘酸っぱい感じのポップ作品。
愛しの女性と離れ旅に出て行く男の心情を描いた作品だが、この歌詞は後にアート・ガーファンクルでヒットする「青春の旅路(Traveling Boy)」と
同じテーマとなっている。ちなみにこのドリフターは非常に人気のある作品で彼らの焼き直しも含めKenny Lynch、The Sandpipers、Steve Lawrence、
Pisano & Ruff、Harpers Bizarre、Roger Nichols & Paul Williams、Roger Nichols & A Circle Of Friends、Mello Cads、Brian Gari、
Heidi Bruhlの他にも日本勢でSPRINGS、高野寛のカバー盤が存在する。管理人も超がつくほど好きな作品である。
→(2007/3/25追記)Siestaレーベルの歌姫Rita Calypsoバージョンも入手。Harpers Bizarre, Heidi Bruhl同様でBメロが無いアレンジ。
19. Trust
1969年の2ndシングルB面。残念ながらこのシングルで彼らの最後の作品となってしまうのだが18と両A面にしても
いいぐらいの良くできた曲だ。彼らがこのままでポールのThe Holy Mackerelと共に活動を続けていたら後のカーペンターズに楽曲の提供がされたのだろうか?
自分達で大ヒットを連発していたのだろうか?などと想像すると興味はつきない。この曲はPeppermint Trolley Co.、Two Of Eachのカバーの他に本人達のカバーで
Paul Williams、Roger Nichols & A Circle Of Friends名義のものが存在する。
20. St. Bernie the Sno-Dog
この曲だけは蛇足である。コレクター向き。
彼らが1964年CMで発表したと言うひどいお遊び曲。この曲はこのアルバムには必要なし。他の曲と比べるとゴミみたいなもの。
暮れから新年にかけてランダムでずっと聴いていたが、この他にも60年代のロジャーの作品には他の人に提供した名曲が多いので機会があれば
いずれBlogにしてみようかとも思う。
そういえばピチカート・ファイブの小西さんとは同じ世代のようなので好みが似ているのかも......
お久しぶりです。
改めて、今年もよろしくお願いいたします。
Carpenters育ちの私には、この辺りはとても懐かしいサウンドとフィーリングです。
自分の音楽志向の原点に帰ったような感じ。
聴いていると、ホッとして、ふんわりとした気持ちになり心地良いです。
こんばんは。
この前は、トラックバックしていただきありがとうございました。
今日はゆっくり読ませていただいてます。
お詳しいですね~。
マルコーニさんもこのアルバム3枚持ってらっしゃるのですね~うれしくなりました。
「kinda Wasted~」は、パレードの方が僕は、好きですね。
「love So~」は、「The Four King Cousins」のバージョンだけ、聞いてますが、他のも聞いてみたいですね。
僕も「The Drifter」が好きですね~。
後は「Let’s Ride」もかなり好きです。
ロジャニコさん関連の記事、是非またお願いします。
また遊びに来させていただきま~す。(^▽^)/
>Reeさん
レス遅くなりました。今年もよろしく。
僕もカーペンターズからですね。
彼らの曲の中で好きになる曲は何故かロジャニコ&ポール・ウィリアムスの曲とレオン・ラッセルの曲でした。
>JAMさん
遊びに来ていただいてどうもです。
ParadeはSunshine Girlという曲が一番好きかな。
The Four King CousinsはI Fellという曲がすごく好きです。
Love So FineはBobbi Boyle And The TrioのJazzバージョンもThe Frank Cunimondo Trioに負けず劣らずでカッコいいですよ。
The DrifterはPisano & Ruffが癒し系でとても好きです。あとBe Gentle With My HeartでRogerが再録したやつもカッコいいです。
ロジャニコ楽曲カバーリストはいずれMySpace.comのほうにまとめてみようかと画策中ですがいつになることやら....