前回に続いてロジャー・ニコルスとジョン・ベティスのコンビによる作品から。今回は森山良子の「Somethings Never Change(邦題:変わらぬ心)」をとりあげてみます。あの森山直太朗の母で「この広い野原いっぱい」「さとうきび畑」等のヒットを持ち、60年代から活躍するフォークシンガー森山良子がロジャニコの作品を取り上げていたのはとても意外です。しかも1973年のアルバムですからロジャニコ作品がカーペンターズに取り上げられた全盛期最後の頃になるわけですね。このアルバム「イン・ロンドン」は彼女の「イン・ナッシュビル」に続く2度目の海外録音で、膨大なデモテープからロジャニコ作品は2曲選ばれています。この曲は他にカヴァーは見つかっておらず彼女のレコーディングが唯一のようです。曲の感じはスローできれいなバラード。イーディ・ゴーメなんかが歌っても似合いそうです。数あるロジャニコ作品の中でも森山の歌唱は最も高音なソプラノで心洗われる気がします。
音源情報です。
・森山良子 「イン・ロンドン」 (日本フォノグラム FX-8064)
1973年5月ロンドン録音。今回紹介する「Somethings Never Change(邦題:変わらぬ心)」はA面2曲目に収められています。当時の洋楽ヒット曲カヴァーでカーリー・サイモンの「うつろな愛」、ロバータ・フラックの「やさしく歌って」も含まれていますが、この曲を含むそれ以外の曲は全てこのアルバムの為のオリジナルとのこと。この中のバリー・マンとシンシア・ウェルの作品「COME EASY」も彼女の録音のみしか存在しないらしいです。なお、このアルバムには、もう一つのロジャニコ作品「Have You Heard The News(邦題:やすらぎの朝)」がありますがこちらは次回取り上げることにします。CD化は98年の単品ものと2006年「イン・ナッシュビル」との2in1のものが発売されています。