「Superstar/Groupie」(その1)

カーペンターズで大ヒットした「スーパースター」この曲は彼らのオリジナルではなくカヴァー曲です。この曲は僕の好きなスワンプ・ロックのレオン・ラッセルの作曲なのですが本人のバージョンはありません。カーペンターズがカヴァーして71年に大ヒットさせる前には4人のアーティストが歌っています。いずれもサザン・ロック色が濃厚のバラードとなっています。

・Delaney & Bonnie 「Groupie (Superstar)」

1969年12月に「Comming Home」のシングルB面として発表されたこちらがオリジナルです。この時のタイトルは「Groupie (Superstar)」となっていました。デラニー&ボニーのボニー・ブラムレットが作詞、レオン・ラッセルが作曲、後にデラニー・ブラムレットが共作としてクレジットされているものもあるようです。このバージョンにはレオン本人のピアノやエリック・クラプトンのギターも入っています。アルバムとしては写真の「D & B Together」に1972年になってから(カーペンターズのヒット後)収録されています。

・Rita Coolidge 「Superstar」

1970年のジョー・コッカーのツアー「Mad Dogs & Englishmen」の中でリタ・クーリッジのボーカルがフューチャーされているライヴ・バージョン。今では完全盤やらデラックス盤が発売されたので1970年3月27日,28日の昼と夜のセット、4月17日のセットの5種類のテイクが聴くことができます。リタは上記のデラニー&ボニーのバック・コーラスが縁で参加したこのツアー中に、この曲を取り上げることを提案した様です。映画のDVDを見直したらコーラスを合わせるところの映像がありました。 こちらも作者のレオンがバックを務めています。 

・Cher 「Superstar」

シェールのバージョンは1970年9月に録音され、10月に「The First Time」とのカップリングでATOCOレーベルからシングル盤リリースされています。 こちらはギターのヒュー・マクラッケンがかっこいいですね。やはりスワンプ色が強い感じです。2001年にアルバム「3614 Jackson Highway」(写真)が4500枚限定でRHINOからCD再発された時にボーナスとして収録されていました。 2008年8月にもこのアルバムは再発されますがボーナス入りかどうかは未確認です。

YouTubeで試聴できます。

・Colleen Hewett 「Superstar」

オーストラリアのポップシンガーであり女優のコリン・ヒューウィットのバージョンは1971年6月に「More Today Than Yesterday」とのカップリングで、彼女のデビューシングルとして発売されました。カーペンターズのバージョンは1971年5月にアルバム内の曲としてリリース、シングル盤は9月発売ですからカーペンターズでヒットする直前の作品ということになります。オーストラリアのチャートでは32位を獲得しているようです。写真は1972年10月のデビューアルバムでこちらのB面1曲目にも収録されています。ピアノのフレーズはリタ・クーリッジバージョンのアレンジの一部を採用しギターの入る部分はデラニー&ボニーのものを下敷きにしていると思います。

以上カーペンターズのヒット前の4枚でしたが、いずれもアメリカ南部ロック色の強いバラードとなっていてカーペンターズとは雰囲気が全く違うということに気づくと思います。