今朝『題名のない音楽会21』で6月2日に亡くなった羽田健太郎氏の追悼番組をやっていた。 まだ58歳では早すぎる。管理人が彼の名前を最初に知ったのはオフコースのアルバムのバック・ミュージシャンとしてであった。それ以来いろんな人のアルバムのバックでちょこちょこと彼の名前を見かけていたように思う。彼はスタジオミュージシャンとして音楽関係の仕事をスタートしたようだがもともとクラッシック畑の人で桐朋音楽大学出身のため作曲や編曲もできるし重宝がられていたらしい。管理人がクロスオーバーなる音楽に興味をもった77-8年ぐらいか?に彼の名前のレコードを見つけ、ジャケットの綺麗さもあり思わず購入したのがこのアルバムである。
先に彼の参加しているオフコースのアルバムを紹介する。「僕の贈りもの」(1973年6月5日発売)と「秋ゆく街で~オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート」(1974年12月20日発売)の2枚である。前者は「でももう花はいらない」1曲だけの参加でフェンダーのローズピアノを弾いている。後者ではピアノ、オルガン、フェンダーローズの他、12人のストリングスの指揮までしているし、しっかり小田和正にメンバー紹介もされている。ちなみにここではギターの大村憲司やドラムの村上秀一もバックについていた。
さて、タイトルのアルバムだがニュー・インテリア・ミュージックと称したシリーズの1枚で、確か他にもアレンジャーやギタリストのリーダーアルバムが全部で4枚ぐらいあったように記憶している。オビのコメントがすごくて『音楽をジャンルに分けるのは、現代に生きる貴方らしくない そこにはクロスオーバーの真髄がある Crossover Music』と書かれている。(笑)結局今で言うジャズ/フュージョンのサウンドでいろんな曲をカバーしているのだがストリングスあり、ビッグバンドありでCTI系の音ボブ・ジェームスやデオダートとかを下敷きにしてるのかもしれない。CD化はされていないし恐らくこれからもされないだろうが結構かっこいいアレンジなので管理人は当時よくターンテーブルに載せていたものだ。「サンゴッデス」ではオリジナルのラムゼイ・ルイスと間違えるくらいでフェンダーローズ、ムーグ、ソリーナさらには多重録音ボーカルまでやっていて大活躍なのである。ちなみにギターは水谷公生、ベース高水健治(なぜか健司と表記されていない)である。他の曲ではジャズギタリスト杉本喜代志や、村岡建、数原晋、新井栄治、羽鳥幸次なんかのホーンも入っている。ニルソンの「うわさの男」やロバータ・フラックの「愛のためいき」、クリスマスの定番曲「ホワイトクリスマス」、ジャズスタンダードの「ニューヨークの秋」とか選曲もバラエティにとんでいてなかなか楽しめる。
・ 「ホワット・ナウ・マイ・ラブ」 羽田健太郎 東芝EMI(TP-60180) <試聴>
A-1. What Now My Love
A-2. Us
A-3. Feel Like Makin’ Love
A-4. Everybody’s Talkin’
B-1. Sun Goddess
B-2. What Are You Doing The Rest Of Your Life
B-3. Autumn In New York
B-4. White Cristmas
その後の羽田健太郎氏は90年から数年間テレビ東京系の『タモリの音楽は世界だ!』に出演し徐々にお茶の間の人気者になっていった。僕も毎週かかさず見ていたし、番組出演者の小林靖宏(アコーディオン)、日色純一(バイオリン)、MALTA(サックス)とで結成したSUPER4のアルバムもクラッシックを題材にいろんなジャンルの音楽でアレンジしてあり楽しいアルバムだった。(今聴きながら書いているのである..)またこの頃は再度クラッシックを学びなおしていたらしく、2000年からの『題名のない音楽会』の司会に続いていくのである。
補足:文章中3段目のギタリストの文字にノガッチさんのBlog( http://recodai.jugem.jp/?day=20050527 )をリンクしてあります。ニュー・インテリア・ミュージックシリーズの別のLPで「直居隆雄/イン・ザ・ムード」。羽健さんのもDrumは石川晶が何曲かたたいているのでバックのミュージシャンは共通のかたが多いのかもしれません。